更新日:2024.07.17
公開日:2024/7/16
中小企業が成長するために必要なこと


StarMember公認会計士・税理士事務所
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)
あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、Star Member (スタメン)公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。
今日は「中小企業の成長」について考えてみます。
時代の変化についていけてる?
つくづく最近思うのが、「時代の変化、はやっ!」です。
数年前、メディアで引っ張りだこで行列が絶えなかった飲食店が今では閑古鳥なんてこと、ザラですよね。
目新しい商品やサービスが、瞬間的に時代のニーズに合って流行ることはよくありますが、それがメディアで伝染されることで真似されてライバルの出現で一気に当たり前になる、そんな時代です。
そんな時代なのに、過去のお宝(一時的成功)にしがみついて特に次の手をたてず、もちろん別の商品・サービスを考えることもせず潰れていく。
そんな会社がなんて多いことか。。。
会社が生き残るためには?
会社が生き残っていくために一番大事なことは何でしょうか?
人材教育や資金調達、組織体制の強化など色々と必要事項はありますが、そこが完璧でも1つ抜けてたら会社は潰れてしまいます。
その抜けてはいけない1つとは。それは、「売上をあげること」です。
売上をあげて利益を上げ続けることで初めて会社は生き残っていくし、売上があがっていれば「未来が明るい会社だ!」と社員もついてくるし、資金調達も組織強化もできる。
ある統計によると会社は10年で約7%しか残らないと言われています。
10年後7%の存続会社に入るには、売上を上げ続けないといけない。
ではどうやったら売上を上げ続けれるのか?
売上を上げ続けるにはどうしたらいい?
売上を上げ続けるには、お客様が「欲しい!」と思う商品・サービスを提供し続けることです。
お客様が「欲しい!」と思うものを提供し続けることで売上があがり続けるという事実はどれだけ世の中が変化しようと普遍なのです。
単純な答えです。でもこれが難しい!!
ところで、市場(マーケット)には「お客様」と「ライバル」しか存在しません。
(ここでいうお客様は自社のお客様と他社のお客様の両者です。)
お客様の気持ちは移り気、ライバルは強力。
それが市場(マーケット)の現実。
「お客様」が「自社のお客様」として選ばれ続け、「ライバル」に勝ち続けないといけない中、現状の売上を維持するだけでも大変なんですよ!!
経営計画に基づいた成長戦略の必要性
そんな大変な中で戦わないといけないのに、計画も目標数値もそれを達成させるための戦略もたてず鼻くそほじりながら淡々と目の前のことだけやってても、生き残れるわけがないんですよ!
目の前のことを淡々とやれば生き残ろうとする行為は目隠ししてドラクエのクリアを目指すくらい無謀な行為なんですよ!
しつこいですがもう一度言います。
そんな世の中で、勝ち残るための戦略もなく、目の前の仕事をただ一生懸命こなすだけで生き残っていけると思いますでしょうか?
絶対無理!!断言できます。
そのために会社に必要なのは何か?
それは、「経営計画」に基づいた「成長戦略」です。
成長戦略なき会社は万死に値する!!
一倉定先生も言っています。
「経営計画」の作成時間を節約するほど、誤った時間の使用方法はない。
いい会社とか悪い会社とかはない。あるのは、いい社長と悪い社長である。
社長自身が経営計画を作成して成長戦略を描き会社経営することこそ唯一の生き残りの方法であり、それをしない社長が会社をつぶします。
成長戦略を描かなかった会社の末路
変化の流れが激しい世の中で、中小企業が長期的に生き残っていくことは至難の業だと、この数ヶ月感じることが多いです
数年前ヒットした商品・サービスが全然売れないということはザラにありますが、その過去のお宝にしがみついて別の商品・サービスを考えることもせず潰れていく会社がザラにあります。
先日、ひと昔前なら誰でも知っていたという飲食店の持ちビル売却打合せに立ち会いました。
まだ店は営業していて営業中にお邪魔しましたが、流行っていた店の面影はなく、衛生面でもよくこんな汚い店内で飲食店をやっているなという印象で、匂いもきつかったんです。(営業中ですよ!)
社長は先代の父親から引き継いだ息子さん。
父親から引き継いで、たんたんと営業し続けた結果、父親から引き継いで持っていたお宝もライバルに奪われ、時代からも忘れられてどうにもならないようになっていました。
経営者の本当の仕事とは?
成長戦略を描かず、時代の変化に対応しないということは経営をしていないと同義です。
目の前のことを一生懸命やってるんだ!は経営者としては絶対的タブー発言です。
なぜなら経営者の仕事とは、従業員さんがとにかく目の前のことをやれば会社が成長する仕組みを創って実行することだからです。
社員が裕福になる商品・サービスを開発し続け、それを世に提供するための組織を作って改革し続け、実行し続けることこそが経営者の仕事なのに、
経営の迷子にならないためには? 「経営計画による未来創造」
目の前のことを淡々とこなしているだけの中小企業の経営者が非常に多く、気づいた時には時代に取り残された迷子となっている。
この変化が目まぐるしい社会においては、迷子にならないように、方向を間違わないように目指すべき目的地に最短で最速に行けるよう経営計画という未来を描いて経営しないといけないのです。