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公開日:2025/1/22

KPIとは?KPIを設定して企業価値を最大化する方法について解説!

この記事の監修
山田俊輔

StarMember公認会計士・税理士事務所
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)

あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、Star Member (スタメン)公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。

何事においても「ゴール設定」は重要です。

特にビジネスを行う上でゴール設定を行わなければ何を目指して事業を行っているのかはっきりせず、曖昧なビジネスとなってしまい成功を逃してしまうでしょう。

ビジネスのゴール設定とは、企業理念や経営戦略に基づいて設定します。

そして、そのゴールに向かって正しく行動出来ているかを定期的に測定して予実管理する必要があります。

この「正しい行動が出来ているかの明確化」を行う際の指標となるものが「KPI(重要業績評価指標)」と言います。

 

ここでは「適切なKPIを設定して企業価値を最大化する方法」について詳しく解説します。

KPIの設定は、会社を次のステップへ進めるために欠かせないプロセスです。ぜひ最後までお付き合いください。

KPIとは「ゴールへ到達するためにクリアすべき重要ポイント」

KPIとは、ゴールへ到達するためにクリアしていかなければならない様々な重要ポイントを言います。

何を頑張ればゴール達成できるか?」を考えて、その頑張るべき重要ポイントをKPI として設定します。

KPIを設定することで、目標を達成するまでのタスクが明確になり、現在の状況を把握することが可能になります。

 

KPIの設定と一口に言っても、企業理念や業種、部署などによって様々です。工場であれば生産性に関するKPIや品質に関するKPIの設定が必要ですし、営業であれば営業機会数や営業案件数、成約率などのKPIを設定する必要があります。

事業部や部署ごとに適切なKPI設定を行えるかどうかが企業価値に繋がるため、KPI設定は企業価値を最大化するための極めて重要な役割になります。

KPI設定のメリット

KPIを設定する主なメリットには次のようなものがあります。

  • 事業部別、部署別、チーム別の進捗状況を可視化できる
  • 個人の目標が明確になる
  • 改善が必要なポイントを把握できる
  • 評価基準が明確になる

2-1.事業部別、部署別、チーム別の進捗状況を可視化できる

組織は大きくなればなるほど、タスクの進捗状況を正確に管理することが難しくなります。

KPIを設定し、事業部別・部署別・チーム別でKPI設定を行うことで、進捗状況(達成度)を可視化することができるようになります。

進捗状況が明確になると、達成までに何が必要なのかが分かり、モチベーションを維持しながらPDCAサイクルを効率良く回すことが可能になります。

PDCAサイクル=Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し行っていくこと

2-2.個人の目標が明確になる

企業全体、チーム全体の目標を達成するためには、従業員個人が明確な目標を持つことが欠かせません。

KPI設定により、個人個人の目標がわかりやすくなり「目標達成までにどんな行動をするべきなのか」がはっきりするとことで業務効率化が図れます。

2-3.改善が必要なポイントを把握できる

KPIの達成度を計測することで、問題点や課題を可視化することができるため、改善が必要なポイントを早期に把握することができます。

改善ポイントが早期に把握できれば、改善を繰り返し行い、企業価値を高めていくことが可能です。

2-4.評価基準が明確になる

従業員の評価基準が曖昧である場合、従業員の信頼を失い、モチベーションの低下を招くおそれがあります。

KPIにより達成度を計測することで、これまで不透明であった評価基準を客観的な評価基準に統一することができ、透明性の高い平等な評価を行うことが可能です。

成功するKPI設定のコツ

成功するKPIを設定するには、次の5つのことを考えなければなりません。

  • わかりやすさ
  • 測定可能であること
  • 達成可能性
  • 最終的なゴールと関連あること
  • 期限を設けること

3-1.わかりやすさ

KPI設定で重要なことは「わかりやすさ」です。

言い換えれば「具体的であること」が欠かせません。

誰が見ても理解できるKPIにすることが重要です。KPIを達成するためには「どのくらいの期間をかけるのか」「どんな手段を使うのか」「どれくらいの人員が必要になるのか」など、具体的な内容を決めていくことで、目標設定が的外れなものにならず、着実にゴールに近づいていくことが可能になります。

 

人は理解できる指標でないと行動に移すことは難しいものです。

わかりやすさを重視したKPIを設定し、そのためにはどのような行動が必要かをチームで考えていくことが大切です。

3-2.測定可能であること

KPIを設定しても、達成したかどうかがわからなければ意味がありません。

KPIは必ず測定できる基準で設定し、定量的に把握するKPI管理を行いましょう。

KPIを設定する目的には、目標の達成度合いを測定することも含まれています。

件数・率・回数など、数値化しやすい指標をKPIに設定することが重要です。

3-3.達成可能性

KPIは企業の理想ではなく「達成することが可能である目標」でなければなりません。

難易度の高すぎるKPIを設定してしまうと、目標を達成することができず、計画自体が無駄なものになってしまいます。

また、無理なKPIの設定は従業員のモチベーションにも悪影響を及ぼしかねません。

 

難しいことにチャレンジする精神も大切ですが、KPIは最終的なゴールへの中間地点であるため、達成可能である目標を設定しましょう。

3-4.最終的なゴールと関連あること

KPIとは「ゴールへ到達するためにクリアしていかなければならない様々な重要ポイント」です。

最終的なゴールと関係あるポイントをKPIとして設定しなければ、KPIを達成しても最終的なゴールには近づきません。

KPIを達成する行動をすることでゴール達成するようにKPI設定することが重要です。

3-5.期限を設けること

KPIでは「いつまでに目標を達成するのか」を明確にしましょう。

期限を設けなければ他の緊急性の高い業務が優先され、いつまでも目標が達成されないままになってしまいます。

達成度合いを測定するためにも、期限は重要です。1か月や四半期などを単位として期限を設けるようにして、進捗を予実管理しましょう。

KPIの決め方

4-1.最終的な目標を明確にする

KPIを設定するためには、企業の最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)を明確にする必要があります。

KGIは、経営陣が考える方針や企業の目標をもとに決定されるものであるため、企業のトップが率先して指揮をとることが大切です。

4-2KGIから逆算して必要なプロセスを導き出す

最終的なゴールであるKGIにたどり着くために何が必要なのかを逆算し、必要なプロセスを洗い出しましょう。

その達成すべきプロセス11つがKPIになります。

 

KPIは闇雲にたくさん作れば良いというものではありません。

ゴール達成に必要のないKPIを作ってしまうと、リソースが分散し、効率が落ちてしまうおそれがあります。優先順位などを考えながら成果に繋がりやすいKPIを考えましょう。

4-3.プロセスの数値化

必要なプロセスを洗い出したら、達成に必要な具体的な数値を求めます。

例えば、営業部の売上目標のKPIであれば、KPIを達成するために必要な訪問数・受注率・受注単価を数値化し、その数値をKPI達成の指標として設定します。

4-4.業務に落とし込む

最後に目的を達成するための業務の落とし込みを行い、具体的な行動内容を決めていきます。

営業部であれば、新規顧客へのアプローチ数を月100件など、具体的な数値を業務に落とし込んでいきましょう。

KPIの指標となる主な例

KPIに設定する指標は業種や事業部、部署などによって異なります。

一般的に使用されている指標を見ていきましょう。

 

営業部でよく使用される指標
  • 新規顧客獲得数
  • 新規売上高
  • 商談件数
  • 受注件数
  • 架電数
  • 架電時間
  • メール開封率
マーケティング部門でよく使用される指標
  • Webサイト閲覧件数
  • Webサイト訪問者数
  • クリック率、コンバージョン率
  • インプレッション
  • リピート率
  • エンゲージメント率
  • SNSの「いいね」の数
人事部でよく使用される指標
  • 求人の応募人数
  • 内定率
  • 内定を承諾した人数
  • 採用までのコスト(1人あたり)
  • 離職率
  • 社員満足度
  • 教育コスト
  • 平均残業時間
  • 有休消化率
製造部でよく使用される指標
  • 総合設備効率
  • ライン編成効率
  • 稼働率
  • 不良率
  • 事故発生件数
  • 原価
  • 納期遵守率
サービス業でよく使用される指標
  • 解約、クレームなどへの応対件数
  • 応答時間
  • 解決時間
  • 顧客満足度

 

【具体例】コールセンターのKPI設定の考え方

具体例として、コールセンター業務でのKPI設定の考え方を見ていきましょう。

コールセンターのKPIは「品質性」「生産性」「収益性」に区分されます。

それぞれのKPI設定は次のようになります。

品質性

コールセンターの品質性では、応答率とサービスレベルがあげられます。

応答率は、かかってきた電話のうちオペレーターが対応した電話の割合であり、サービスレベルはかかってきた電話に何秒以内に対応できたかを測定する指標です。

これらにKPIを設定することでお客様満足度の向上が図れます。

生産性

コールセンターの生産性を示す指標には「稼働率」があげられます。

稼働率とは、オペレーターがログインしている時間のうちどれくらい電話対応や後処理に時間を費やしたかを測る指標です。

一概に稼働率が高ければいいというわけではなく、生産効率とオペレーターの疲弊度を考慮してKPIの設定を行わなければなりません。

収益性

収益性では、1コールにかかるコスト(CPC)や1件獲得するのにかかるコスト(CPA)などの指標が用いられます。

収益性を高めるには上記の品質性や生産性も同時に高めなければならないため、改善が難しく、改善するまでに時間を要する指標となります。

適切なKPIを設定して企業価値を最大化

KPIは企業の進むべき方向を明確にする様々な指標です。

指標の設定を誤れば、企業の価値を損ねる結果になりかねませんし、適切なKPIを設定することができれば企業価値を最大化することが可能です。

 

Star Member(スタメン)公認会計士・税理士事務所は、KPIの設定を含め、改善が必要な課題を数字の面からご提案することが可能です。

「自社だけでは改善に限界がある」とお悩みの際は、ぜひ当事務所までご相談ください。

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