税務・会計

公開日:2025/6/18

税理士が節税してくれない理由と節税に強い税理士を見つけるためのポイントを解説!

この記事の監修
山田俊輔

StarMember公認会計士・税理士事務所
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)

あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、Star Member (スタメン)公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。

税理士と顧問契約している方の中には「これは経費になりません」としか言われず、「節税のアドバイスもなく何のために顧問契約しているのか」と悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

顧問契約を結んでいるのだから、確定申告書の作成以外にも節税のためのアドバイスを求めることは当然のことだと思います。ここでは「税理士が節税してくれない理由と節税に強い税理士を見つけるためのポイント」について詳しく解説いたします。

節税を提案してくれない理由を明確にすることで自社に合った税理士像や税理士との上手な付き合い方が分かると思いますので、ぜひ参考にしてください。

顧問税理士が節税してくれない理由とは

顧問税理士が節税を提案してくれない理由は、税理士個人の考え方や業務の取り組み方によって様々ですが、主に次のような理由が考えられます。

1-1.節税は義務ではないため

税理士の義務は「適正な申告を行い、適正な納税を実現すること」と規定されており、クライアントの節税を提案する、いわゆるコンサルティング業務は税理士の義務ではありません。

【税理士法第1条】

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

また、法律に則った節税は合法ですが、節税方法の中には租税回避行為との線引きが曖昧なケースもあり、判断が難しい場合も考えられます。

一見すると合法的な処理であっても、税務調査で租税回避を意図したものと判断されて否認されるケースもあるため、なるべくリスクを取りたくないという税理士であれば積極的な節税方法を提案しない税理士もいるでしょう。

1-2.全ての税理士が節税に強いわけではない

節税を提案するためには、適正な税務処理方法を十分に理解したうえで研修や書籍などで様々なケースでの取り扱いを学び、実務経験を積むことが必要となります。

税理士の中には適正な税務処理や節税方法の知識はあるものの、具体的な節税方法の手順やリスク回避方法を理解しておらず、節税に関する知識が不足しているため効果的な節税方法が提案できないというケースも考えられます。

1-3.顧問料が定額

税理士が節税を提案するためには、会社のことをきちんと理解し、どのポイントで節税スキームを利用できるのかを検討し、会社の状況に合わせたオリジナルのプランを考える必要があるため、節税の提案を行うために多くの時間を費やす必要があります。

一方で、毎月の顧問料は一定のため、節税の提案を行っても、行わなくても税理士の収入は変わりません。

節税の提案を行ってもインセンティブが発生せず、時間を費やす必要があるため、積極的に節税の提案を行わないというケースも考えられます。

税理士に節税してもらうには?

顧問税理士に積極的な節税の提案を行ってもらえない場合は、どのような対応を行えばいいのでしょうか。

顧問税理士に期待通りの役割をしてもらうためには、待っているだけでなく税理士に働きかけることも重要です。

2-1.節税への意欲を伝える

税理士が経営者の節税への意欲を理解していない場合も考えられるため、はじめに節税への意欲を税理士に伝えてみましょう。

例えば、これからの事業展開や設備投資の計画を税理士に伝え、どのような節税対策が考えられるかを聞いてみてください。

一気にこれからの会社の経営の流れがイメージできるようになるため、税理士としてもどのような節税対策ができるかを提案しやすくなります。

税理士によっては「複雑な節税スキームを説明しても理解してもらえるかわからないだろう」と諦めているケースもあるかもしれませんので、まずは聞く姿勢があることを示すためにも節税への意欲を正直に伝えましょう。

2-2.定期的にミーティングを行う

税理士から節税の提案を受けたい場合は、提案できるタイミングを作ることが重要です。

毎月の月次試算表を受け取る際に税理士とミーティングする時間を設けたり、四半期ごとに経営報告ミーティングを行ったりするなど、経営者と税理士が効果的な連携を図るために定期的なミーティングを実施しましょう。

最初は緊張してしまうかもしれませんが、ミーティングの回数を重ねるごとに節税についての要望を伝えやすくなり、税理士も要望に答えて節税対策を提案してくれるでしょう。

節税に強い税理士の探す際のポイント

「税理士が節税してくれないという悩みを抱えているのであれば、はじめから節税に強い税理士に依頼した方がいいのではないか」と考える人もいると思います。

しかし、どの税理士が節税に強い税理士なのか判断することは容易ではないため、節税に強い税理士を探す場合には、次のポイントを参考にするといいでしょう。

3-1.初回相談で節税に関する質問をしてみる

多くの税理士事務所や会計事務所では無料での相談を受け付けていますので、顧問税理士を探す場合には、必ず無料相談サービスを活用しましょう。

対面での無料相談では、税理士の人柄や話しやすさ、専門性があるかどうかなどを知ることができ、顧問契約を結ぶかどうかの判断基準になります。

節税に強い税理士かどうかについても、無料相談時に節税に関する質問を投げかけ、どのような節税対策を実施してもらえるのかを尋ねてみると、その税理士の節税への姿勢を判断することができるでしょう。

3-2.節税に関する最新情報・税法改正への知識があるか

税理士が節税してくれない理由の1つに「節税に強くない」というものがあります。

通常の税務処理方法に関する知識はあっても「節税するためにはどうすればいいのか」「租税回避行為や脱税にならないボーダーラインはどこなのか」といった知識も持っていなければ、適正な節税対策を提案することはできません。

また、節税と税法改正はイタチごっこが繰り返されるという側面があるため、過度な節税スキームは税制改正により封じられてしまうことも少なくありません。

そのため、節税に関する情報や税法改正への知識を常にアップデートする必要があります。

節税に強い税理士を探す場合には、節税に関する最新情報・税法改正への知識があるかどうかについてもチェックしましょう。

3-3.報酬体系が明確か

税理士の顧問料に会社の経営アドバイスやコンサルティング料が含まれていない場合は、別途コンサルティング契約を結んだり、相談料が発生したりする場合があります。

節税対策の提案についても、顧問料に含まず、別途料金が発生する場合もありますので事前に確認しておきましょう。

もし、節税の提案に費用がかかる場合にはいくらかかるのかを確認し、その費用に見合う節税効果が期待できるのかどうかについても検討する必要があります。

3-4.税務調査への対応実績や経験があるか

税務署からの税務調査が行われると、場合によっては節税対策のスキームが問題となり、税理士が上手に適法性を説明できない場合には否認されてしまい、追徴課税が生じるケースもあります。

税務調査では、税理士のこれまでの対応実績や経験が重要です。

これまでの税務調査経験やクライアントを守るというスタンスであるかどうかを確認し、万が一税務調査が行われた場合でも安心して任せられる税理士を選びましょう。

今の税理士に不満があるなら税理士変更も視野に入れる

「節税の意欲を伝えても何も変わらない」「ミーティングを提案しても忙しさを理由に断られてしまう」など、今の税理士に不満がある場合には早めに顧問税理士の変更を視野に入れ、行動を開始したほうがいいでしょう。

【税理士変更を検討すべきケース】

  • 最低限の税務処理だけしか行わない
  • 担当者が対応するだけで税理士と話す機会が全くない
  • 税理士が節税を行うことを悪いことだと認識している
  • 高齢であり、最新の税法改正についていけていない
  • 節税に関する疑問を投げかけても、回答がない

    4-2.税理士変更の仕方

    顧問税理士を節税に強い税理士に変更することで、現在抱えている税理士への不満や悩みの解決が期待できます。

    顧問税理士の変更は難しいことではないものの、喧嘩別れにならないように進め、契約終了という形で円満に行うことが理想的です。

    【税理士変更の流れ】

    1. 現在の税理士との顧問契約書の契約期間と解約時の違約金を確認する
    2. 節税に強い税理士を探す
    3. 現在の税理士と契約解除する日を決める
    4. 現在の税理士に契約解除を申し込む
    5. 書類の返却を依頼する
    6. 新しい税理士に引き継ぎを行う

    税理士変更は、上記の流れで行うとスムーズに進めることができます。

    詳しくは「税理士変更の断り方は?断る際の伝え方や文章についても解説!」で解説しています。

    4-3.税理士変更する前に他の税理士に相談してみる

    現在の税理士に不満があり、税理士変更を検討する場合には、他の税理士に節税対策について相談することも考えてみましょう。

    他の税理士にセカンドオピニオンを依頼することで節税に関する提案を受けられる可能性があります。

    「顧問契約していない税理士に相談していいものなのか」と躊躇してしまう方もいらっしゃいますが、セカンドオピニオンとして他の税理士に相談することで、現在の税理士と良好な関係を続けながら、節税対策も行うことができる場合もあります。

    また、セカンドオピニオンで相性のいい税理士が見つかることもあるため、税理士変更を考える前にセカンドオピニオンの活用も検討してみましょう。

    まとめ

    適法な節税は会社の利益を守り、会社が成長していくために必要であり、経営者としては積極的に活用していきたいと考えている人も多いと思います。

    しかし、税理士との温度差やコミュニケーション不足などにより「税理士が節税してくれない」と不満を感じている方も少なくありません。

    不満がある場合には、まずは税理士に節税の意欲を伝え、節税の要望に対する税理士の対応の変化を期待してみましょう。

    それでも変化がない場合には、セカンドオピニオンや税理士変更を視野に入れ検討しましょう。

    Star Member(スタメン)公認会計士・税理士事務所は、一緒に未来を創る経営パートナーとして、セカンドオピニオンや税理士変更についてのお悩みも受け付けております。

    初回相談は無料です。

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