更新日:2024.07.17
公開日:2024/7/16
予告の無い税務調査がきたらどうしたらいい?(無予告調査)
StarMember公認会計士・税理士事務所
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)
あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、Star Member (スタメン)公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。
税務調査に関しては経営者であればどういったものか興味があると思いますが、数年に1度しか税務調査を受ける機会がないため、どのようなものなのか知らない方が多いです。
今回は、予告の無い税務調査がきたらどうしたらいいか?についてお話します。
いきなりの出来事に対して間違った対応をしないように、知っておいて欲しい内容です。
無予告調査とは
税務調査が実施される経緯は大きく分けると2種類あります。
1つは、通常行われる税務調査で、事前に調査に行くことと日程調整が行われて実施される調査です。
そしてもう1つが「無予告調査」と呼ばれるもので、ある日突然なんの前触れもなく税務調査官がやってきて実施される調査です。
無予告調査は全ての税務調査の1~2割程度実施されていると言われていますので、経営者にとっては全く無縁のものではないです。
無予告調査が実施される要件
昔は無予告調査が実施される要件が法で定められていなかったので、税務署の判断で予告なく調査されることがありました。
しかし近年、むやみに無予告調査が行われないよう、無予告調査を行う要件が法定化されました。
その要件は細かく定められていますが、全て説明するとややこしくなるので、簡単にいうと税務調査にいきますよと事前通知をして調査を開始した場合に、納税者が逃亡したり、証拠を改ざんしたり、誰かと共謀したりしてしまうことが合理的に推認される場合は予告なく税務調査を実施できます、というものです。
つまり、悪いことをしている、もしくは、しようとしていることが客観的にみられる場合には無予告調査を行ってよいという意味です。
このことは逆にいうと、そのようなことが推認されない場合には、無予告調査を行ってはいけないということを意味します。
ですので、全く心当たりがない場合は、なぜ無予告調査なのかを問いただすことができます。
無予告調査が来た場合の正しい対処法
では、それでも無予告調査が来た場合は、どう対処すればよいでしょうか?
大前提として、調査自体は断ることができません。
ただし、すぐに受け入れなければいけないわけではなく、後日でもいいわけです。
その前提のもと、初動として、会社内や自宅に「入ってもよろしいでしょうか?」と承諾を求められますので、「はいどうぞ」と受け入れてはだめです。
会社や自宅内に入れず、税理士と連絡を取るのでお待ちくださいと伝えて敷地外で待ってもらいましょう。
次に、社長も税理士も予定がありますので、本日の対応が難しい旨を伝えてください。
そのうえで、いつであれば大丈夫だというスケジュール案を提示して、日程調整をしてください。
あくまで税務調査を断るのではく、日程の都合が今日は悪いので後日にしてくださいという主旨となります。
後日、税理士立会のもと、正しい対応をしながら税務調査を受けることが重要です。
まとめ
今回は、予告の無い税務調査がきたらどうしたらいいか?についてお話をしました。
税務調査は数年に一度のペースでしか行われないことが一般的なので、経営者にとっては縁遠い印象もあると思います。
ただ、経営をしていると必ず税務調査は行われますので、税務調査について知っておくことは非常に重要です。
特に無予告調査は突然の出来事なので、それに正しく対処するためには知識が必要ですのでお話しました。
会社をつぶさないためのキャッシュフロー経営、税務や経営サポートのご相談は、Star Member (スタメン) 公認会計士・税理士事務所までお気軽にどうぞ。