会社設立

更新日:2024.05.20

公開日:2024/5/8

会社設立の費用相場|株式会社と合同会社を比較して独立・起業を実現!

この記事の監修
山田俊輔

StarMember公認会計士・税理士事務所
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)

あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、Star Member (スタメン)公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。

会社設立の費用相場を徹底解説!株式会社と合同会社の違いや、設立後の留意点も解説します!

会社設立をする際、会社設立にどれくらいの費用がいくらかかってくるか気になると思います。

会社設立に関わる費用は、会社形態により異なってきます。

本記事では、特に会社設立の際によく選ばれる2つの会社形態である「株式会社」と「合同会社」に焦点を当て、

それぞれの費用相場と設立後の留意点などを徹底解説します。

会社設立の費用相場と資本金

いきなりですが、細かい費用の説明をし出すと混乱すると思いますので、費用相場を簡潔にまとめさせて頂きます。
会社を設立するには、「法定費用」「その他の費用」「資本金」の大きく3つのカテゴリーの支出が必要となってきます。

項目 株式会社設立 合同会社設立
電子定款の場合 紙定款の場合 電子定款の場合 紙定款の場合
法定費用 182,000円~ 222,000円~ 60,000円~ 100,000円~
その他の費用 5,000円~(専門家に代行する場合は55,000円~)
資本金 1円~
合計 187,001円~ 227,001円~ 65,001円~ 105,001円~

株式会社を設立するには、「187,001円~」、合同会社を設立するには、「65,001円~」が費用相場です。
ただし、ご自身で会社設立をする場合は紙定款で設立することがよく見られるため、
その場合は、「227,001円~」、合同会社を設立するには、「105,001円~」が費用相場です。
専門家に依頼される場合には、専門家代行手数料がその他の費用としてかかってきます。
以下では、それら「法定費用」「その他の費用」「資本金」について詳細を解説致します。

 

株式会社設立の法定費用

まずは、株式会社設立の法定費用について解説します。
法定費用とは、会社を設立する際に必ず発生する法で決められた費用で、各管轄の役所へ支払う費用をいいます。
電子定款の場合と紙定款の場合とで法定費用は異なります。
内訳は次のとおりです。

法定費用 株式会社設立
電子定款の場合 紙定款の場合
定款の認証手数料 資本金100万円未満:30,000円
資本金100万円以上300万円未満:40,000円
資本金300万円以上:50,000円
定款の収入印紙代 0円 40,000円
定款の謄本手数料 2,000円
登録免許税 150,000円 or 資本金額 × 0.7%
比較して高い方
合計 182,000円~ 222,000円~

 

「定款の認証手数料」は、公証役場にて定款の認証を受ける際に発生する手数料です。
令和4年1月より、資本金の金額により変動となっています。
資本金が100万円未満の場合「3万円」、100万円以上300万円未満の場合「4万円」、300万円以上の場合「5万円」の手数料がかかります。
「定款の収入印紙代」は、電子定款の場合は0円となりますが、紙定款の場合は4万円かかってきます。
「定款の謄本手数料」は、謄本1ページにつき250円で、定款の枚数によって総額は異なりますが、およそ2,000円ほどかかることが多いです。
「登録免許税」は登記手続きの際に国に治める税金です。
15万円と資本金×0.7%を比較して高いほ方の金額を支払う必要があります。
以上のように、株式会社設立の法定費用は、「電子定款の場合」は182,000円~、「紙定款の場合」は222,000円~と資本金の金額によって変動します。

 

合同会社設立の法定費用

続いて、合同会社設立時の法定費用について解説します。
株式会社同様、電子定款の場合と紙定款の場合とで法定費用は異なります。
内訳は次のとおりです。

法定費用 合同会社設立
電子定款の場合 紙定款の場合
定款の認証手数料 0円
定款の収入印紙代 0円 40,000円
定款の謄本手数料 0円
登録免許税 60,000円 or 資本金額 × 0.7%
比較して高い方
合計 60,000円~ 100,000円~

 

合同会社の設立の場合、「定款の認証手数料」は発生しません。
「定款の収入印紙代」は、株式会社同様、電子定款の場合は0円となりますが、紙定款の場合は4万円かかってきます。
「定款の謄本手数料」は、発生しません。
「登録免許税」は、6万円と資本金×0.7%を比較して高いほ方の金額を支払う必要があります。
以上のように、合同会社設立の法定費用は、「電子定款の場合」は60,000円~、「紙定款の場合」は100,000円~と資本金の金額によって変動します。

その他の費用

次に、法定費用以外にかかってくる、その他の費用について解説します。
その他費用は株式会社も合同会社も同様の内容となります。
主なその他の費用として、「個人印鑑証明」「会社実印」「謄本発行費用」「専門家代行費用」などがあります。

その他の費用 株式会社設立・合同会社設立 共通
会社実印 約5,000円~10,000円前後
個人印鑑証明 約300円×必要枚数
謄本・法人印鑑証明 約500円×必要枚数
専門家代行費用 依頼する場合のみ50,000円~100,000円前後
合計 5,000円~(専門家に代行する場合は55,000円~)

 

会社実印

会社を設立する際には、法人の実印が必要になりますので、法人印の作成費用がかかります。
実印・銀行印・角印の3点セットが定番ですので、3点セットを揃えておくことが通常です。
素材などで費用は変わりますが、5千円~1万円前後で作成するケースをよく見ます。

個人印鑑証明

また、会社を設立する際には、発起人・役員(株式会社の場合)もしくは代表社員(合同会社の場合)の印鑑証明書が必要です。
1通300円程度で、市区町村役場などで取得でき、必要枚数に応じて費用がかかります。

謄本・法人印鑑証明

会社設立後とはなりますが、会社の謄本や法人印鑑証明書の発行が必要となりますので、その発行費用もかかります。
1通100円~500円程度で、必要枚数に応じて費用がかかります。

専門家代行費用

専門家に代行を依頼する際には、法定費用が安くなる電子定款での会社設立となることが通常です。
司法書士や行政書士に依頼することとなり、代行費用は5万円~10万円が相場です。
ただし、Star Member (スタメン) 公認会計士・税理士事務所に会社設立を依頼頂き、税務顧問契約を締結頂ける場合は、
この代行手数料が無料相当となる顧問料の値引きを行っております。

 

資本金

株式会社も合同会社も資本金は1円から設立が可能です。
ただし、資本金はその会社の対外的な信用となる自己資本ですので、資本金が少なすぎる場合には、会社設立時の会社の信用が低くなってしまいます。
かといって資本金が多すぎる場合には、消費税の課税関係が不利となったり、法人税や地方税の取り扱いが変わってしまうため、会社設立時は資本金1,000万円未満で設定することがよく見られます。
資本金をいくらにするのかは、新しく作る会社の事業内容や将来展望により適正金額が変わりますので、専門家に相談することをお勧めします。

 

自分で設立する場合と専門家に代行する場合の費用の違い

会社を設立する場合、自分でやるか、専門家に依頼するか迷うところでもあります。

専門家に依頼すると、専門家代行費用がかかってくるものの、スムーズに会社設立が完了するまでサポートしてくれるというメリットがあります。

自分で設立する場合と専門家に代行する場合とで、費用面に着目して比較してみたいと思います。

(例1)資本金300万円の株式会社を設立する場合

 

株式会社 自分で会社設立(紙定款) 専門家に依頼(電子定款)
定款の認証手数料 50,000円 50,000円
定款の収入印紙代 40,000円 0円
定款の謄本手数料 2,000円 2,000円
登録免許税 150,000円 150,000円
その他の費用 5,000円 5,000円
専門家代行費用 0円 50,000円
合計 247,000円 257,000円

資本金300万円の株式会社を設立するケースを例にとった場合、
費用の差額は「10,000円」となります。
理由としては、自分で会社設立する場合は紙定款であることが多いので定款の収入印紙代が40,000円かかるところ、
専門家に依頼することで電子定款となり、定款の収入印紙代がかからず、代わりに専門家代行費用がかかることとなるためです。

 

(例2)資本金100万円の合同会社を設立する場合

合同会社 自分で会社設立(紙定款) 専門家に依頼(電子定款)
定款の認証手数料 0円 0円
定款の収入印紙代 40,000円 0円
定款の謄本手数料 0円 0円
登録免許税 60,000円 60,000円
その他の費用 5,000円 5,000円
専門家代行費用 0円 50,000円
合計 105,000円 115,000円

資本金100万円の合同会社を設立するケースを例にとった場合も、
費用の差額は「10,000円」となります。
理由は株式会社設立と同じ理由で、
自分で会社設立する場合は紙定款であることが多いので定款の収入印紙代が40,000円かかるところ、
専門家に依頼することで電子定款となり、定款の収入印紙代がかからず、代わりに専門家代行費用がかかることとなるためです。

 

会社設立の流れとスケジュール

一般的な会社設立の流れとスケジュールを解説致します。

定款作成

まずは、定款を作成するところから始まります。

会社名、事業目的、本店所在地、資本金額、発起人は絶対的記載事項といって、必ず定款に記載する事項となっています。

それ以外に会計期間や取締役会を設置するのか否かなどの会社の機関設定など、定款は会社を運営していくうえでの 取り決めともいえますので、どういう定款内容とするかを会社の将来像とも照らしながら決定し、定款を作成していきます。

1日~1週間が作成期間の目安です。

定款認証

続いて、作成した定款の認証手続きとなります。
公証役場での手続きとなりますので、本店の所在地を管轄する公証役場で手続きを行います。
発起人全員で認証手続きを行う必要がありますが、専門家に依頼するなどで代理人に認証をお願いする場合は、
発起人全員の委任状を作成することで発起人全員での手続きは不要となります。
定款の事前確認などで公証役場と日程調整が必要なので、3日~1週間が定款認証期間の目安となります。

資本金の振込

次に、資本金を振り込む手続きに入ります。
この時点ではまだ会社設立が完了していないため、法人の銀行口座は存在しません。
ですので、発起人のいずれかの個人銀行口座を利用するなどして、発起人各人が資本金を振り込むことが通常です。
誰がいくら入金したかがわかるように銀行口座に振込み、通帳のコピーとともに払込証明書を作成します。
資本金の振込は1日~1週間が目安となります。

登記申請→登記完了!会社設立の完了

これらが完了したら、いよいよ法人の登記申請です。
定款認証や登記申請書などの必要書類をもって法務局へ持参します。
その際、登録免許税の支払も必要となります。
書類に問題がなければ、1週間から10日ほどで会社設立が完了となります。
なお、会社設立日は登記申請を窓口で行った日となりますので、希望日がある場合は留意ください。

会社設立後の留意点

登記完了後の各種手続き

登記が完了し、会社設立が終わったら、各所への設立届の提出と銀行口座の開設をすぐ行うことをお勧めします。
設立届の提出が遅れると、受けれたかもしれない税務上の特典が受けれなかったり不利益を被る可能性があるのと、
銀行口座がないと取引先とのお金のやり取りができないため実質会社経営を開始することが出来ません。
それらについて簡単に解説します。

税務署への届出

法人設立届出書を本店所在地を管轄する税務署へ提出します。
また、青色申告の特典を受ける場合は、青色申告の承認申請書の提出が必要ですし、
その他、給与支払い事務所開設の場合や、税務上の選択を行ったりする場合にも届出が必要となります。
特に、青色申告の承認申請書の提出は設立後3カ月以内となっているため、期限が過ぎると特典を受けることができないため、ご留意下さい。

都道府県や市町村への届出

本店所在地を管轄する都道府県や市町村にも法人設立届出書を提出します。
同時に支店開設も行っている場合は、支店を管轄する都道府県や市町村にも法人設立届出書を提出します。

社会保険の届出

本店所在地を管轄する年金事務所に、健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出する必要があります。
会社設立から5日以内に届ける必要があるため、非常にタイトなスケジュールとなっています。
また、労災の手続きや雇用保険の手続きは管轄が異なるため、社会保険の届出は非常に煩雑となっているため、ご留意ください。

銀行口座の開設

銀行口座がないと、取引先と契約できないことが通常であるため、会社経営を開始するためには必須となってきます。
にもかかわらず、昨今はマネーロンダリングの問題などがあって、新規設立法人の銀行口座を作るには
時間がとてもかかるうえ審査も厳しく、銀行から口座開設を断られることも散見されます。
会社設立が完了し、手元に謄本が届きましたら、すぐに銀行口座開設を進めることをお勧めします。

専門家の利用の費用相場

会社設立が完了すると、いよいよ会社経営となります。
会社経営はともすれば荒波を航海することに例えられることが多いですが、海を目的地に向かって航海するには
それをサポートしてくれる羅針盤のような専門家の存在が心強い場面が多々あります。
それら羅針盤となる会社経営のパートナーとして、税理士・会計士、社労士、弁護士と契約する会社が多いので、
それぞれの専門家の費用相場について解説します。

税理士・会計士

税理士は会社の日々の経理を代行したり、決算を組んで税金申告を代行してくれる専門家です。
単に経理や決算作業を代行するのみでの依頼もできますが、
税理士・会計士の中には財務に関する専門性や会社拡大に関する専門性、M&AやIPOに長けた専門家もいたり、その専門性は千差万別です。
お医者さんと同じで、専門分野が異なることが多いです。
自身の会社に合う専門性をもった税理士と二人三脚で会社経営が出来れば会社の飛躍的な発展に繋がることも多いので、
単に作業代行費用の高い安いだけで選ばずに、慎重に選ばれることが望ましいです。
単なる作業代行のみであれば年間20万~受けている税理士事務所もありますが、付加価値は期待できません。
専門性の高い良質なサービスを受けるには、年間60万円~100万円ほどが通常の費用相場です。
Star Member (スタメン) 公認会計士・税理士事務所は、財務戦略や会社成長支援、M&AやIPO支援に長けた株式会社日本会計サービスを併設しています。
付加価値のある税務サービスをご希望の場合は、Star Member (スタメン) 公認会計士・税理士事務所へお問合せ下さい。
相談は無料です。
会社設立と顧問契約をセットとした場合、168,000円の値引きを行っています。

社労士

社労士の正式名称は社会保険労務士といい、社会保険の専門家です。
社会保険の手続きは非常に煩雑で、人の入退社の都度手続きが必要となるため、
従業員さんを雇用した場合は社労士さんに代行することがお勧めです。
社会保険の手続き以外にも、給与計算を代行したり、助成金の申請手続きを行ってくれます。
依頼する手続きの内容にもよりますが、年間36万~60万ほどが通常の費用相場です。

弁護士

弁護士は法律の専門家です。
もめごとが起こらないための契約書作成や法務体制の整備、万が一もめごとが起こってしまった時の
対応などを代行してもらえます。
会社設立当初から弁護士と契約することは稀で、ある程度会社が大きくなってきた時に契約することが多いです。
依頼する手続きの内容にもよりますが、年間36万~100万ほどが通常の費用相場です。

まとめ

会社設立の費用相場について、解説させて頂きました。
株式会社を設立する場合と、合同会社を設立する場合の費用の違いは法定費用であり、その他費用や設立後の専門家の費用などは
変わりがないことがおわかり頂けたかと思います。
この記事を参考して頂き、会社を設立し、独立・起業を成功させて頂ければ幸いです。

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