税務・会計

公開日:2025/9/19

格安税理士のデメリットとは?失敗しないための選び方を徹底解説

この記事の監修
山田俊輔

税理士法人オンデック
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)

あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、税理士法人オンデック公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。

起業すると何かと費用がかかるため「初期費用をできるだけ抑えたい。

でも会計や税務申告はプロにお願いしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

税理士業界では価格競争が進み、顧問料や税理士報酬が安い「格安税理士」を謳う税理士事務所が現れており、固定費を節約したい方にとって魅力的な存在になっています。

確かに、税理士報酬は安ければ安いほど嬉しいものですが、その安さの裏には注意すべき点も潜んでいます。

この記事では「格安税理士のメリット・デメリット」を深く掘り下げ、ビジネスに最適な税理士を選ぶための具体的な方法を徹底的に解説します。

格安税理士とは?

格安税理士とは、一般的な税理士報酬の相場よりも大幅に低い価格でサービスを提供している税理士事務所のことを指します。

具体的な定義はありませんが、月額の顧問料が1万円以下の税理士、個人事業主の確定申告を10万円以下で提供している税理士などが該当します。

依頼する会社や個人事業の規模によって税理士費用は異なりますので、周辺の相場よりも3割から5割程度安い税理士事務所は格安税理士と言えるでしょう。

1-1.格安で依頼できる理由

一部の税理士事務所が格安でサービスを提供できる背景には、いくつかの理由が考えられます。

1-1-1.価格競争と集客の優先

一昔前は、税理士法により一律で税理士報酬は決められていましたが、報酬規制撤廃により他の事務所との差別化を図るため、料金を安く設定する税理士が増加している背景があります。

特に起業したての会社や個人事業主の場合、初期費用を抑えたいというニーズが強い傾向があるため、格安税理士は顧問料0円などのインパクトのある料金体系を打ち出すことで、こうした顧客層へのアプローチを戦略としています。

1-1-2.サービス内容の限定と効率化

税理士事務所にとって最も大きなコストは人件費です。

格安税理士は、税理士・スタッフの担当件数を増やしたり、オンライン面談やメールでのやり取りに切り替えたりすることで人件費を抑え、税理士報酬を安くしています。

そのため、多岐にわたるサービスは提供することができず、サービス内容を限定している場合がほとんどです。

例えば「決算申告のみ」や「税務書類の作成のみ」といったスポット契約に近い形でサービスを提供することで、毎月の顧問料を0円にしている税理士事務所もあります。

格安税理士のデメリット5

格安税理士は費用面では魅力的ですが、安さだけを追求すると後悔してしまうおそれもあります。

ここでは、格安税理士に依頼する際に想定される主なデメリットを5つご紹介します。

2-1.サービスの質が低い・限定的

低価格を実現する薄利多売のビジネスモデルを採用している場合、効率化を優先させるため、個々の顧客へ割ける時間が限られてきます。

その結果、期待していたサービスが受けられなかったり、会計処理のミスや漏れが生じてしまったりするリスクが高まることも考えられます。

格安税理士の中には「安かろう、悪かろう」の税理士事務所も存在するため、注意が必要です。

 

また、提供されるサービスも限定的である事務所も多く、顧客の要望に対応することができない場合もあります。

対応できる場合であっても、節税対策や経営アドバイスなどについては別途費用が発生し、標準的な税理士費用よりも高額になってしまうケースも珍しくありません。

2-2.専門分野がマッチしない可能性がある

格安税理士事務所は1つの分野に特化するよりも、汎用的な経理・税務処理に焦点を当てていることが多い傾向にあります。

国際取引が多い事業やソフトウェア開発があるIT事業など、複雑な税務処理が必要になるケースについては、専門知識や経験の不足から適切に処理してもらえない可能性があります。

業界特有の節税策や税務上の注意点を見落としてしまい、結果的に不利益を被るリスクも考えられます。

2-3.担当者の経験が浅い・機械的対応になりがち

格安税理士事務所は、人件費を抑えるために経験の浅い従業員を雇用するケースも少なくありません。

新人の従業員が担当者になる可能性が高く、対応が遅かったり、質問に対する回答が不十分であったり、担当者に対してストレスを感じてしまうこともあります。

 

また、顧客を多く抱えすぎてしまっている格安税理士事務所では、事務所自体が手一杯になってしまい「申告が期限ギリギリになる」といった問題が生じることも少なくありません。

このような状態では、顧客の事情を深く理解した親身な対応は期待しにくく、機械的で画一的な対応になってしまいがちです。

税理士事務所は、担当者次第でサービスの品質が変わることもあるため、割り切った付き合いを前提としてサービスを提供する格安税理士事務所に質の高い担当者を期待することは難しいかもしれません。

2-4.コミュニケーション不足になりがち

コスト削減のため、会社に訪問する回数を最低限に抑える格安税理士事務所も珍しくはありません。

中には、会社への訪問は全くせずに、メールやビデオ通話などのオンラインツールでのやり取りのみに限定している事務所もあります。

 

顔と顔を合わせた付き合いを行わずにサービスを受けることになるため、親身なサービスを期待することは難しいでしょう。

また、定期的な訪問がない場合はコミュニケーション不足になってしまい、税務上の問題点や経営課題についてタイムリーな相談ができないといったデメリットが生じることになります。

2-5.追加費用がかさむ可能性がある

「顧問料0円」など、格安料金を謳っている格安税理士事務所は、入り口を安く見せるための戦略を採用しています。

実際には、多くのサービスがオプション料金として別途請求されることもあり、蓋を開けてみると最終的な支払額が当初の想定よりもかなり高額になるケースもあります。

例えば、従業員の年末調整や償却資産税申告書・法定調書・給与支払報告書の作成、税務相談などがオプション料金として追加されることも珍しくありません。

他にも、創業初年度のみが格安料金になっており、2期目以降は相場よりも高額に設定されているためトータルコストでは相場よりも高くなってしまう場合もあります。

契約前にサービス内容と料金体系を詳細に確認することが非常に重要です。

格安税理士が向いているケース・向いていないケース

格安税理士のデメリットを踏まえたうえで、どのような会社・事業者が格安税理士を選ぶべきか、あるいは避けるべきかを見ていきましょう。

3-1.格安税理士が向いているケース

3-1-1.小規模の事業者

事業をスタートしたばかりで売上高が少ない個人事業主や小規模の会社は、取引量が少なく、税務処理もシンプルであるため、高額な顧問料を支払うよりも格安税理士に依頼し、固定費を抑えたほうが得策になるケースもあります。

税理士に求める優先順位が「報酬の安さ」である場合には、格安税理士は有力な選択肢になるでしょう。

3-1-2.決算(確定申告)のみを依頼したい場合

「日々の経理処理は問題なくできるので、決算書の作成や法人税申告書だけを作成してほしい」または「個人事業主で確定申告書だけを作成してほしい」という方には、格安税理士が向いているでしょう。

3-1-3.節税アドバイスや経営アドバイスが必要ないケース

節税や経営アドバイスなどのサービスは一切必要なく、申告書作成の代行だけをお願いしたいという方にとっては、格安税理士が提供するサービスモデルは非常に合理的です。

割り切ったビジネスライクな付き合いを希望する方にとってメリットは大きいでしょう。

3-2.格安税理士が向いていないケース

3-2-1.事業規模が大きく、税務処理が複雑な法人

事業規模が大きくなると取引量が増加し、複雑な会計処理や税務処理が必要になります。

複雑な会計・税務に対応するためには、経験豊富な税理士による専門的な知見ときめ細やかなサポートが不可欠です。

画一的なサービスにより低価格を実現している格安税理士では、企業の成長ステージに応じた適切な対応が難しくなると思われます。

3-2-2.専門性の高い取引が生じる場合

将来的にM&Aを考えている会社、国際取引が頻繁に発生する事業や特定の許認可事業ど、専門性の高い取引が生じる場合は、その分野に精通した税理士のサポートを受けることをおすすめします。

格安税理士では、専門性の高いアドバイスやリスク管理についてのアドバイスを十分に受けられない可能性が高く、結果的に税務リスクが生じてしまうおそれがあります。

3-2-3.節税対策や資金繰りなどの経営全般の相談がしたい人

「税理士を経営のパートナーとして様々な相談をしたい」という方には格安税理士は向いていません。

 

単なる税務申告の代理として税理士に依頼するのではなく、積極的な節税対策、資金繰りの改善、事業拡大に向けた経営戦略、税務調査への対応など、経営全般にわたるコンサルティングやアドバイスを期待する場合には、報酬が高くても自社に合った税理士を探しましょう。

失敗しないための税理士の選び方

どのような税理士を選ぶかに関わらず、税理士選びでは事前の準備が重要な鍵になります。

税理士の選び方で失敗しないためには、次の点に気をつけましょう。

4-1.自社に必要なサービスを洗い出す

まずは「税理士に何を期待するのか」を明確にするために、自社に必要なサービスを洗い出しましょう。

日々の帳簿の記帳は自社で行うのか、それとも税理士事務所に依頼するのか、決算や確定申告のみを依頼するのか、それとも月次報告や税務相談も含めたうえで依頼したいのかなどによって、どの価格帯の税理士を選ぶのかが異なります。

4-2.複数の税理士から相見積もりを取る

税理士事務所を選ぶ場合には、1つの事務所に絞るのではなく、複数の事務所と連絡を取り、具体的なサービス内容や料金体系についての説明を受けるようにしましょう。

説明を受けた後は、その場で契約するのではなく、見積もりをもらい比較検討を行うことが重要です。

インターネットの情報ではお得に見える事務所であっても、サービス内容と金額を考えると決して安くはない場合もあります。

4-3.無料相談を活用して税理士との相性を確認する

税理士事務所の中には、無料相談を実施している事務所もありますので活用するようにしましょう。

税理士との付き合いは長期間にわたることが多いため、費用だけでなく、税理士の人柄やフィーリングといった相性も重要です。

無料相談は、税理士と直接会って話を聞くことができる絶好の機会ですので、親身になって相談に乗ってくれるかなど、内面的な部分に注目してみるといいでしょう。

まとめ

格安税理士は、デメリットを理解したうえで活用すれば、コスト削減に大きく貢献できるサービスです。

しかし、サービスの品質が低かったり、コミュニケーションがなかなか取れなかったり、ストレスを抱えてしまうリスクも考えられます。

 

税理士を選ぶ際は、税理士費用だけで選ばずに、サービスの品質と費用を総合的に判断し、慎重に検討しましょう。

税理士法人オンデックでは、初回無料面談(オンライン可)を常時実施しています。

面談でお伺いしたニーズに合わせてお見積書を作成しますので、電話・チャットワーク・LINEなどでお気軽にお問い合わせください。

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