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公開日:2026/1/20

節税対策は税理士に依頼すべき?税理士に任せるべき理由と、「節税対策に強い」税理士の選び方

この記事の監修
山田俊輔

税理士法人オンデック
代表 山田俊輔(公認会計士・税理士・経営心理士)

あずさ監査法人にて、東証一部上場企業の会計監査、上場準備会社の監査、会社買収時のデューデリジェンス業務等を担当。
2010年に独立開業し、税理士法人オンデック公認会計士・税理士事務所と株式会社日本会計サービスを立ち上げ、連結売上1,000億円超の社外取締役や売上数百億円~数億円の会社の取締役、監査役などを務める。2017年には野村證券なんば支店アドバイザリーボードメンバーにも選任。

会社経営者や個人事業主の方の中には「売上は順調なのに、なぜか手元にお金が残らない」という悩みを持つ方も多くいるのではないでしょうか。

その大きな原因の1つが税金の負担です。

税金の負担は、会社や事業主にとって避けては通れない課題であり、法律の範囲内で正しく税負担を軽減し、手元のキャッシュ(資金)を将来の投資などに活用する節税対策は、非常に重要な経営戦略です。

インターネットや書籍などには、多くの節税情報が溢れている現代ですが、自己判断での対策には限界があり、時には法律の範囲を逸脱しているとみなされるおそれもあります。

ここでは「なぜ節税対策を税理士に相談すべきなのか」について、その理由と費用対効果、そして本当に信頼できるパートナーの選び方を詳しく解説します。

なぜ節税対策を税理士に依頼すべきなのか?

「誰に節税の相談をしていいのかわからない」という方もいらっしゃると思いますが、具体的な税務アドバイスは法律によって税理士だけが行える独占業務です。

税務署や商工会議所でも、一般的な節税の知識を得ることは可能です。

しかし、個々の経営状況に踏み込んだ具体的なプランを提案し、実行までサポートできるのは税理士だけに限られます。

1-1.最新の税制に基づいた「合法的かつ最大の節税」が可能

日本の税制は毎年のように改正されており、新しい優遇措置が創設される一方で、既存制度の要件が変更されることも珍しくありません。

税理士は、常に最新情報のアップデートを行い、相談者の業種や規模に応じた最適なプランを提案することが可能です。

例えば、特定の設備投資に対する税額控除や、賃上げを促進するための税制優遇などは、適用要件が細かく、要件に少しでも合致していない場合、節税の恩恵を受けられないことがあります。

節税対策を税理士に任せることで、こうした「知っていれば受けられたはずのメリット」の取りこぼしを防ぎ、合法的かつ最大の効果を得ることが可能になります。

1-2.税務調査リスクの低減

法律の範囲内で税負担を抑えることが「節税」ですが、行き過ぎた行為は税務調査で「脱税」と認定され、追徴課税や加算税などのペナルティを受けるおそれがあります。

税理士が関与することで、法律の範囲内の節税である客観的な根拠を準備して税務調査に望むことができ、そのうえで専門的な見地から適切に反論・交渉を行うことで、調査官の不当な指摘から依頼者を守ることができます。

1-3.事務負担の軽減と本業への集中

節税対策の実務には、下調べから複雑な計算、届出書の有無の確認などの事務的な負担が生じます。

経営者自身でこれらの全てを行うとなると膨大な労力と時間が必要になり、本来集中すべき事業運営の障害になってしまうリスクがあります。

節税対策のプロである税理士に任せることは、経営者の貴重な時間と労力、つまり経営資源を守ることでもあります。

経営者の人件費や、誤った処理による将来の損失を考えれば、税理士に依頼したほうがコストパフォーマンスも優れたものになるでしょう。

【法人・個人別】税理士が提案する具体的な節税対策の例

一口に節税対策と言っても、法人か個人事業主かによって、節税方法は大きく異なります。

法人と個人事業主の代表的な節税方法について、それぞれ見ていきましょう。

2-1.法人の場合

法人の節税対策は、主に役員報酬の最適化、制度の拡充や規定の整備、共済の活用が合法的かつ効果的な方法です。

2-1-1.役員報酬の最適化

役員報酬は、法人の経費(損金)であり、利益を圧縮することができる方法の1つですが、役員報酬を高く設定しすぎると、役員個人の所得税や住民税、社会保険料の負担が大きく増加してしまいます。

法人の節税対策では、法人の利益を圧縮するだけでなく、法人の利益と役員報酬を分散させ、役員個人の所得税・住民税、社会保険料までを含めた「トータルコスト」を最適化することが重要な要素になります。

税理士は、法人に残す利益と個人に支払う役員報酬のバランスをシミュレーションし、手元に残るキャッシュが最大化するような役員報酬の金額を導き出します。

2-1-2.社宅制度の活用

法人が賃貸物件を借り上げ、役員や従業員がその賃貸物件に住む「社宅制度」は、非常に効率のよい節税方法です。

対象の役員や従業員から一定額の家賃(賃料相当額の50%以上)を徴収するという要件はありますが、法人が支払う家賃は経費(損金)にすることが可能です。

家賃に関するものには「住宅手当」として支給する方法もありますが、住宅手当は給与として取り扱うことになり、所得税などの負担が増加してしまいます。

社宅制度の活用は、家賃を法人の経費にしつつ、個人の給与としての課税を避けて住居費の負担を減らすことができる、法人・個人双方にメリットがある節税対策です。

2-1-3.出張旅費規程の整備

法人の「出張旅費規程」を整備し、適正な額の出張日当を支給することも有効な節税対策の1つです。

適正な額の出張日当は、法人の経費になる一方で、受け取る個人に対しては所得税が課税されず、社会保険料の計算対象にもならないため、個人の実質的な手取りを増加させる効果があります。

2-1-4.倒産防止共済(経営セーフティ共済)やiDeCoプラスの活用

倒産防止共済は、取引先の倒産などにより、売掛金の回収ができなくなった場合に掛金総額の10倍(または回収困難額のいずれか少ない金額)までを、無担保・無保証で借り入れることができる制度です。

共済の掛金は、全額(年間最大240万円)が経費(損金)として認められています。

倒産防止共済への加入は、法人の利益を圧縮しつつ、将来の備えとして簿外に資産を積み立てられる合法的な節税対策です。

また「iDeCoプラス」などの退職金制度を導入することで、従業員の福利厚生を充実させつつ、会社の税負担を軽減させることも可能です。

2-2.個人事業主の場合

個人事業主の節税は、課税所得を抑えるための控除をいかに漏れなく適用できるかが鍵になります。

2-2-1.青色申告特別控除(65万円)の確実な適用

個人事業主の確定申告では、青色申告を選択し、電子申告などの要件を満たすことで、最大65万円の所得控除を受けることができます。

青色申告特別控除は所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料の軽減にも繋がるため、非常に効果的な節税対策です。

「複雑な複式簿記による帳簿作成が難しい」という理由で65万円控除を受けられていない場合は、税理士に依頼することで、複式簿記による帳簿作成サポートを受けることができるでしょう。

2-2-2.小規模企業共済、iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用

小規模企業共済は、個人事業主や中小企業の役員が退職・廃業した際の生活資金を準備するための退職金制度です。

支払った掛金の全額(年間最大84万円)が所得控除の対象になり、将来の備えを行いつつ、所得税・住民税を軽減することができます。

将来、退職金として受け取る際も「退職所得」などの扱いになり、税制上の優遇を受けることが可能です。

iDeCoは、公的年金に上乗せして老後資金を自分で用意するための任意加入の年金制度です。

iDeCoの掛金も小規模企業共済等掛金控除として、全額が所得控除の対象になります。

2-2-3.家事按分の適正化

自宅兼事務所の家賃や光熱費、プライベートでも使用する車両にかかる費用など、事業にかかる費用と私的な費用が混合する費用のうち、どこまでを事業の経費とするかが「家事按分」です。

税理士に相談することで、使用面積や利用時間などの合理的な基準に基づき、税務署に説明可能な範囲での経費計上のアドバイスを受けることができます。

2-2-4.「法人成り」のタイミング診断

個人事業での売上や所得が一定規模を超えると、個人事業主のままよりも会社を設立(法人成り)したほうが、税負担が軽くなる分岐点が訪れます。

税理士に依頼することで、単なる所得税・法人税の比較だけでなく、社会保険料の負担増なども加味した精密なシミュレーションを受けることができ、最適な「法人成り」のタイミングを知ることができるでしょう。

税理士費用は高い?「費用対効果」の考え方

節税対策を税理士に相談するかどうかを悩む背景には「税理士費用が高そう」という不安があるのではないでしょうか。

確かに、税理士に依頼すると費用が生じることになります。

しかし、税理士費用は単なるコストではなく、将来の税負担や経営リスクを抑えるための投資と捉えることもできます。

例えば、年間の税理士費用が30万円かかる場合であっても、税理士の提案により60万円の節税ができれば、結果としてプラスになります。

加えて、税務上の判断に迷う場面で専門家に相談できる環境があることは、経営者にとって大きな安心材料になるでしょう。

また、記帳などの事務作業も税理士に依頼することで、今まで事務作業に費やしてきた時間や労力を本業に集中することができます。

こうした時間的・精神的な負担の軽減も含めて考えると、税理士費用はその金額以上の価値をもたらすケースも少なくありません。

節税に「強い」税理士の選び方

「税理士であれば誰でも節税に強い」というわけではありません。

なぜなら、税理士事務所ごとに特徴があり、記帳や申告といった事務処理を中心にしている事務所、経営状況を踏まえて節税策を提案するスタンスの事務所など、事務所ごとに大きな違いがあります。

節税を重視するのであれば、どのような姿勢で関与してくれる税理士かを見極めることが重要です。

4-1.提案型か、事務処理代行型か

節税に強い税理士の選び方で重要なことは「税理士側から主体的なアドバイスがあるかどうか」です。

例えば、決算や確定申告の結果だけを伝えてくる税理士ではなく、事前に利益予測を行い「このままいくと利益が出そうなので、今のうちに取れる対策があります」など、先回りして提案してくれる税理士は、心強いパートナーと言えるでしょう。

節税対策の多くは、タイミングを逃してしまうと十分な効果を発揮することができません。

節税対策を行ううえでも「申告作業だけをこなす税理士」か「経営に関与する税理士」かの違いは非常に大きな差になるでしょう。

4-2.業界の知識があるか

業種によって、適用できる税制や注意すべきポイントは異なり、例えば、建設業、医業、不動産業などは、それぞれ特有の商習慣や税務上の論点があります。

自社の業界に対する理解がある税理士であれば、制度の表面的な説明にとどまらず、実務に即した、より踏み込んだ節税アドバイスが期待できます。

4-3.レスポンスの速さ・コミュニケーションのしやすさ

節税対策では「何を行うか」だけでなく「いつ判断するか」も非常に重要な要素です。

質問をしても数日間返答がないような対応では、制度の適用期限を逃してしまう可能性もあります。

税金の話は経営者にとってとてもデリケートなことです。

疑問や不安を気軽に相談できるかどうか、説明がわかりやすいかといった相性やコミュニケーションのしやすさも、長期的な関係を築くうえで欠かせません。

こんな税理士には注意!失敗しないためのチェックリスト

納得できる節税対策を実現するためには、避けたほうがいい税理士の特徴についても知っておく必要があります。

5-1.年に1回(決算申告直前)しか連絡が来ない

多くの節税対策は、決算日より前に準備、実行する必要があり、申告・納税期限が迫ってからでは実行できる選択肢は限られてしまいます。

税理士が定期的に連絡をくれ、早い段階で利益の見込みを共有してくれる体制かどうかは、必ず確認したいポイントです。

5-2.「節税は脱税みたいで嫌いだ」と保守的すぎる

税理士の中には、税務調査での否認リスクを過度に恐れ、安全性のみを重視するあまり、法律で認められた節税対策の活用にも消極的な人もいます。

適正な申告は大前提ですが、正当な節税方法まで否定してしまう税理士の姿勢では、経営を支援する立場として十分とは言えません。

5-3.脱税まがいの提案をする

保守的な税理士とは対象的に、脱税まがいの提案を行う税理士には注意しましょう。

法的に認められない範囲で税金を不当に減額させる行為は脱税です。

一時的に税負担が軽くなったとしても、発覚すれば重加算税や刑事責任、社会的信用の失墜など、事業に致命的な影響を及ぼします。

「節税」と「脱税」は全く別物であることを明確に理解している税理士を選びましょう。

まとめ

節税対策を税理士に相談することは、最新の税制を踏まえながら、自社のキャッシュを守り、将来のリスクを抑えつつ、事業を安定的に成長させるために重要なプロセスです。

「自分なりに調べてみたものの、本当にこれで正しいのか不安が残る」
「税理士費用は高額だと思い込んで、相談をためらっていた」

という場合は、一度税理士に現状を整理してもらいましょう。

税理士法人オンデックでは、節税だけを目的とした短期的な対策ではなく、事業の状況や将来の展望を踏まえたうえで、合法性とリスク管理を重視した節税の提案を行っています。

税理士に相談するか迷っている段階でも構いません。節税対策に強い税理士をお探しの場合には、お気軽にご相談ください。

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